Present from the Senses 感覚から存在する Present From the Senses (2022) サウンドインスタレーション 映像、サウンド、タフティングインストール:富松篤 Present( 名 ) 現在、贈り物( 形 ) < 物、事が >《… に》存在して意識が「今」に存在するとき、それは感覚に付随する。 感覚を起点に過去や未来を彷彿とさせることはあれど、それらを感じているのは紛れもなく現在の意 識である。人生の深い意味は思考のもっと向こう側にあるらしい。私たちが五感で受け取る感覚は現 在からの贈りものであり、私たちの身体と心が、今ここに存在していることを証明する。 今日もこの目で、この耳で、この口で、この鼻で、この手で、「今」を受け取っている。ただ、息を吸って吐くだけで喜びを感じられるように。本作品は 2022 年に開催された企画展 「手つかずの庭」 にて展示された。本作品では、” 贈り物、 現在、 存在している” という3つの意味を併せ持つ 「Present」 という単語に着目し、 普段はサウンドやビデオ などのタイムベーストメディアを主に使用する作者が、 それらに加えフィジカルなオブジェクトであるタフティングを使用し、 本作品におい て” 見る ・ 聞く” という行為の他に” 触れる” という感覚の追加を試みた。 それにより時間を過去から未来へ向かう直線的な捉え方と してではなく、 現在というレイヤーが積み重なる構造として捉え直し、 複数の感覚が互いに交差する様子を通じて、 身体と精神の深い 繋がりを引き出し、 感覚とは” 現在” によってのみもたらされる恩恵であることを意識させる。